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2007年2月28日
「丹羽総務会長・温家宝総理と会見」

温家宝総理 ご一行の訪中を歓迎します。中国の習慣では、「春節」の季節はまだ終わっておらず、「元宵節」(旧暦1月15日)までです。日中関係も「春節」のように暖かい状況になりつつあります。丹羽総務会長とお会いし、日本のかつての先輩指導者である田中角栄先生、大平正芳先生を思い出しました。これらの方々は政治的な卓識と勇気を持っておられました。我々は非常に尊敬しており、中国人民はずっと忘れません。実際のところ、日中両国の友好協力の基礎は、両国人民の心の中に根付いています。日中友好は、人心の赴(おもむ)くところ、時代の流れの向かうところにあります。人心に背くことはできず、時代の流れを逆戻りさせることもできません。

昨年10月、安倍総理は成功裏に訪中されました。これは、両国政府が共に努力した結果であり、両国関係の重大な転換点となりました。日中関係が、その基礎の上に立って、一層改善され、発展し、真に長期安定的な友好協力関係を構築できることを希望します。「一年の計は春にあり」と言います。丹羽総務会長は春に訪中されましたが、日中関係も春の如く活気溢れるようになることを希望します。
丹羽雄哉総務会長 本日は温総理にお会いすることができて光栄です。4月の温総理の訪日を心から歓迎致します。本年は、日中国交正常化35周年、「日中文化・スポーツ交流年」という節目の年であり、そのような年の温総理の訪日はたいへん有意義であります。今ほど日中友好協力が必要な時期はありません。

昨年、安倍総理は電撃的に訪中致しました。我々は、その成果を受け継ぎ、皆で支えなければならないと考えております。このため、戦略的互恵関係を両国国民のみならず国際社会にも示していく必要があります。この点については、我が国の政府と与党は一致しております。本日は、安倍総理の親書を携えて参りましたので、ここでお渡し致します(安総理の親書を温総理に手渡しする)。両国が緊密に連携し、今後、平和な日中友好関係を構築致したいと願っております。

私からいくつか申し上げたいと存じます。まず、日朝作業部会の開催日程が決まりましたが、六者会合で中国が大きな役割を果たしておられることに深く感謝致します。そして、現在の緊迫した国際状況の中で、こうして温総理とお会いできたことは、たいへん意義あることと思っております。

本日、戦略的互恵関係の象徴的プロジェクトとして、高強衛生部部長(衛生相)と、日中間の医薬品分野における研究開発協力について話し合いました。温総理のご理解も得たいと思います(温総理が、「丹羽総務会長は環境問題、医薬品関係の専門家である」と、皆に紹介する)。

次に、東シナ海資源開発問題ですが、このことは、長年にわたり日中間の最大の懸案であります。温総理も、東シナ海を「平和・協力・友好の海」にすべきであるとおっしゃっておられます。この問題については、安倍総理訪中後、まだ具体的な動きはありませんが、3月に実務レベルの協議が行われるとのことですので、是非、その席で日本と中国の両国が受け入れることのできる具体的提案をしていただきたい。

六者会合は、次回、3月19日に協議が行われる予定ですが、これまでの温総理を始めとする中国側のご尽力に心から敬意を表します。先の六者会合では、良い合意が行われました。北朝鮮が、「初期段階の措置」に加え、「次の段階」におけるすべての核計画の完全な申告、核施設の無能力化等の具体的な約束をし、「北朝鮮の非核化」に向けた作業が具体的に開始されたことは前進であります。しかし、率直に言って、最終的な“非核化への道のり”は不透明であり、我々としては今後に不安も抱いています。中国が議長を務められる作業部会において更なるご尽力をお願いしたい。

北朝鮮に対する経済・エネルギー支援に関しては、我々にとっては拉致問題が関係しております。この拉致問題が解決しなければ、我々がエネルギー支援を行うことは難しいのです。この立場については、我々はこれまで繰り返し表明してきておりますし、中国のご理解に感謝しております。拉致問題をとりまく我が国の国民感情には大変強いものがあります。従って、この問題抜きに北朝鮮へのエネルギー供与に参加することはできない、ということを改めて申し上げます。拉致問題は、日本が譲ることのできない最低条件なのです。

本日、王家端部長にも申し上げたが、日朝間の協議で必要なことは対話を通じて政治的決着を図ることであります。これは否定致しません。しかしながら、最も大切なことは、真実は一つであり、その全容解明が必要であるということであります。北朝鮮に対しては、包み隠さず明らかにしてほしいと何度も言っておりますが、今の北朝鮮の対応は、こちらの要望とは程遠いものであります。以上申し上げたことは、日本の大多数の国民、8割から9割の国民の気持ちであります。この面においても中国にはご尽力願いたい。最終的に日朝国交正常化を行うには、核、ミサイル、拉致といった問題が包括的に解決されなければなりません。中国の側面支援を是非、お願いしたい。もちろん、我々も自己の役割を果たしていきます。
温総理 安倍総理就任後、日中両国政府は、両国関係に影響を与える政治的障壁を取り除くことについて共通認識に持つに至り、安倍総理訪中を促進しました。安倍総理は、総理就任後、最初の訪問国として中国が選びました。これを我々は評価しております。現在、日中関係は正常な発展の軌道を歩んでいます。ただ、チャンスに直面していると同時に、“敏感な問題も”存在しています。今後とも、我々は最大限努力しなければなりません。双方は、3つの政治文書の原則を堅持しつつ、政治的相互信頼を強化し、両国が関心を有する“敏感な問題”を適切に処理しなければなりません。

先ほど、丹羽総務会長が東シナ海の問題に言及されましたが、我々は共に、東シナ海を「平和の海」、「友好の海」、「交流の海」にしたいと思っております。この目標を実現するためには、争いを棚上げにして共同開発することが必要です。3月に行われる実務レベルの協議において、双方が互恵と互譲の精神に基づき実質的な一歩を踏み出すことを心から希望致します。この問題は、長期にわたって解決できていない問題であり、短期間のうちにすべてが解決することは不可能ですが、前に向けて踏み出すことが重要であります。

また、先ほど、医薬品分野における両国の協力強化について言及がありました。日中間においては、そのほかにも、エネルギー、環境、情報通信、金融等、協力できる分野は非常に多いので、各分野での協力を強めて人々に幸福をもたらしたいと願っています。ここで特に指摘したいことは、両国の人文関係の協力を強化すべきだということであります。現在、両国間における人的往来は年間延べ500万人レベルです。特に青少年交流は、両国国民間の理解と友便誼の増進に資するところ大であります。

先の六者会合において実質的な成果を得ることができて嬉しく思っています。「9・19共同声明」を実施する上で、「初期段階」における実質的な一歩を踏み出しました。協議における共通認識が実際の行動になるよう希望しています。我々は、米朝協議もまた嬉しく思います。北朝鮮の金桂冠副相は昨日、中国経由で米国に向かいました。北朝鮮側は寧辺の核施設の閉鎖とIAEA(国際原子力機関)の査察受入れを約束しました。米国側は北朝鮮に対する金融制裁解除について検討しています。米朝の行動は共に進行中であります。日本を含む各国が緊密に連携し、六者会合が最終的な朝鮮半島の非核化を推進するようにしたいと考えております。

日本側が提起している日本国民の拉致問題について、中国はこれまでも理解と同情を表明しています。先ほど、日朝作業部会の開催日程が決まったとの話がありましたが、我々は協議を通じて日朝間の問題が順調に解決されることを希望しています。地域の問題について日中が協力関係を強化し、共に安全を擁護しつつ、東アジア一体化の建設を推進したいと願っております。

本年は日中国交正常化35周年であり、日中関係が更に発展する重要な契機であります。私は4月に訪日いたしますが、その目的は、双方の共同の努力を通じて日中関係を前に向けて発展させることであります。訪日においては、安倍総理と戦略的互恵関係の中身について話し合い、日中関係の未来を「規画」したい。そして、会談後には「共同声明」を発表し、話し合った問題及び共通認識を文書の形で確認したいと思っております。両国の外交部(外務省)及び大使館は密接に協力し、準備を行っていただきたいと願っています。

安倍総理の情熱溢れる友好的な親書を頂き、非常に嬉しく思い、感謝致しております。帰国されたら、安倍総理に呉々もよろしくお伝え下さい。
丹羽総務会長 大変ご丁寧なお話に感謝致します。日本と中国は“一衣帯水”の隣国であり、両国は力を合わせて東アジアの平和と安定を創るべきであります。これは、我々の責任、役割です。本日の温総理のご発言は、直接、安倍総理に伝えます。4月の訪日を熱烈に歓迎致します。
温総理 桜満開の時期に訪日できることを楽しみにしています。
(中南海紫光閣にて)
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