新年、明けましておめでとうございます。大勢の皆様方にお越し頂き、親しく新年をお祝いできますことを大変嬉しく思います。これもひとえに長年に亘る皆様方のご支援の賜物であり、改めて感謝御礼申し上げます。
さて、昨年九月に安倍政権が発足しました。あれから3か月たちました。いよいよ今年が安倍内閣の正念場であります。安倍総理は就任まもなく、中国・韓国と首脳会談を行い、両国との友好関係を確立しました。また、政府・与党は、昨年暮に教育の憲法ともいうべき教育基本法の五十九年ぶりの改正や、地方分権改革推進法、防衛省昇格などの重要法案を次々成立させました。
しかし一方で、復党問題や閣僚の不祥事などで国民の皆様方からご叱責をいただいております。予期せぬ問題で多少つまずいておりますが、今年はエンジン全開で改革を推進し、国民の皆様の圧倒的信頼を得ななければならないと考えております。
いま最大の緊急課題は八百兆円にも及ぶと言われる累積債務を抱えた財政の再建であります。将来世代に対する政治の責任として、財政再建は何としても成し遂げなくてはならないことは言うまでもありません。近年、好景気による税収増によりプライマリーバランスは予定の平成11年より前倒しで均衡が達成できるという見方もあります。しかし、それによって財政再建の楽観論が広がることを私はむしろ危惧しております。
ましてや民主党のように、消費税増税には一切触れないまま、公的年金の基礎部分を全額税方式にするとか、高校教育の無償化とか、農家に対する所得補償などという夢のようなばらまき的な発想は厳に戒めなくてはなりません。これからの時代は、建前で、餅をばらまくような時代ではないのであります。
消費税の議論は今年秋から本格的に行われますが、その前に取り組まなくてはならないのは、“改革の1丁目1番地”である、特定財源の問題であります。かつて、財務大臣を務めた長老が「母屋で粥をすすっているのに、離れですき焼きを食べている」と名せりふを述べましたが、この特定財源は、30以上もあり、合計で一般会計の3倍近い225兆円にも上っております。特定財源の改革はまさに財政再建にとって必要不可欠なものであります。
昨年暮れの道路特定財源の見直し議論は一定の前進をみましたが、問題はこれをいかに法案化していくかにあります。私は総務会長として最も陳情を受けたのはこの道路特定財源の存続であり、連日、全国の知事さんや市町村長さんなどが陳情に訪れ、今更ながら道路に対する地方自治体の関係者の強い要望を痛感しました。地方経済の活性化や住民の生活に必要な道路は当然、今後も造らなくてはならないと考えております。しかしながら、国民の目には、今の制度のままでは、採算の見通しが立たない高速道路まで造られるのではないかという疑念がぬぐいきれないのも事実です。
昨年暮れの政府・与党合意は、行き着くところ、道路の五か年計画を作成して必要な道路は造る一方で、余った分は一般財源化するということになっております。毎年シーリング枠がかかる一方で、国民の目に無駄と映る道路も造られ続ける可能性があるなど、玉虫色の決着になっています。2008年にも法制化する方針で、むしろ法制化の段階でどのように明記されるかが大変重要であります。私は、国と地方合わせて5兆8千億円に及ぶ道路特定財源は、まず一般財源化をし、その透明性の中で国・地方がそれぞれ必要な道路に支出をしていくという考え方は、難しい話ではありません。
道路特定財源だけでなく、特別会計は一般会計に繰り入れる方針を打ち出している電源開発促進対策のほか、治水、港湾、空港なども一般財源化する方向で検討されております。小泉内閣においては、現在33ある特別会計を平成18年度から5年をめどに2分の1から3分の1に大幅に削減するほか、合計20兆円の財政健全化への貢献を目指すとの方針を決定しておりますが、安倍総理はかねてから「改革を加速する」との方針を打ち出しており、特別会計の改革においても毅然たる姿勢でこの小泉内閣の方針をさらに踏み込んで実施することが求められております。
私は交付税・譲与税配付金など地方分権の大きな支えとなり、地方自治体にとって欠かすことができないものや、国民にもその必要性が十分理解されるものを除いては、基本的に一般財源化の方針を打ち出すべきだと思っております。
財政再建のために国民に負担増をお願いする前に、まず、この特定財源の透明性を高め、無駄な支出がされない仕組みをつくることが求められます。これがまさに歳出削減の重要な柱であります。こうした改革をぶれることなく積み重ねることによって、「さすが安倍内閣だ」と国民のご理解とご信頼を得るよう、全力で取り組み、支えていく決意であります。
今後、全力を挙げて取り組まなくてはならない課題は、いわゆる格差の問題であります。企業収益は回復し、設備投資も好調ですが、一方で、個人消費がもう一つ伸び悩んでおります。
大企業はかつてない増収の一方で、中小企業や勤労者の所得が伸び悩み、これが消費低迷の大きな原因と言われています。幸いにして失業率も改善されつつありますが、景気回復によって実った果実が、国民全体に幅広く行き渡ることによって、この国の社会に漠然と広がる不安やいらだちを解消するように努めていかなければなりません。
最近、経済界が主導して、労働ビッグバンが進められようとしております。一定以上の年収のホワイトカラーの残業代を無くすことも議論されております。働き方が多様化していることは事実ですが、賃金抑制と長時間労働を正当化する危険性を孕んでおり、慎重に議論すべきであります。剰余金や株主配当も配慮しなくてはならないことは言うまでもありませんが、経営者は人件費削減ばかりを求めるのではなく、従業員が報われるような雇用環境の整備に努めることが大切であります。私は行き過ぎた市場原理主義を正し、汗を流したものが報われるように、国民の皆様方が将来とも安心して生活できるような労働分配率に改めなければならない。
今年の夏には、天下分け目の戦いとなる、参議院議員選挙を控えておりますが、私は、党執行部の一人として、今申し上げたような山積する課題に真正面から取り組み、少子高齢化社会における若年世代の負担軽減を配慮する「改革」か、それとも、自分たちの世代を優先する「ばらまき」か、あるいは、「大きな政府」でいいのか「小さな政府」を求めるのか、を焦点にすることによって、国民のご理解とご支援をいただくことを確信いたしております。
私は本年も、この国のため、国民のため、郷土茨城のために、ひた向きに歩み続ける決意であります。今後とも皆様方の変わらぬご指導、ご協力をお願い申し上げます。皆様のご健勝を心よりご祈念申し上げ、新年の挨拶とさせて頂きます。
(センチュリープラザ石岡)