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活動報告-地元

国会 講演・会合

地元

2007年6月6日

(社)石岡青年会議所6月例会「このくにのかたちそしてこのまちのかたち」

 本日は、石岡青年会議所の六月例会事業にお招き頂き、親しく皆様方とお目にかかる機会を得まして大変嬉しく思います。石岡青年会議所の皆様は、三十二年の伝統を継承されており、その間、地域青年会議所として、地域に根ざした活動、運動を通して、まちのため、子どもたちの未来のために、多大なご貢献を頂いており、敬意を表する次第であります。

 現在、日本青年会議所は、四万人の会員がおられ、茨城県では千人の会員、ここ石岡青年会議所では、小松崎理事長のもと約四十名の会員が活躍されていると聞いております。人生の青年期において、公共心を育みながら、地域との「協働」により社会の発展に貢献するご活動に期待を致すものであります。

 本日は、「このくにのかたち」そして「このまちのかたち」をテーマとして頂いておりますが、就任時に『美しい国づくり』を掲げた安倍内閣も、八か月の政権実績に対して、七月の参議院選挙でその評価が問われることとなります。

 今日、我が国は、世界に例をみない少子高齢化、人口減少社会が進行する中で、グローバル化、環境との調和に実質的に応える経済システムの構築が、早急な課題となっております。グローバライゼーションと経済の市場主義化傾向の中で、我が国の毅然とした進路を国民にお示しすることが最大の課題であります。

 現在の景気は、一〜三月期のGDPも実質年利で二・四%成長と、戦後の「いざなぎ景気」をはるかに超える息の長い回復基調であります。また、懸念の赤字国債の発行については、これまでないほどに縮減いたしました。かつて、カラーテレビ、クーラー、カーの3Cが高嶺の花であった「いざなぎ景気」の頃に較べて、現在は、皆さんの生活も、道路等の社会資本のインフラ整備も著しく進み、社会福祉もまた格段に向上しているのも事実です。

 しかし、いま、国は豊かになっているのに、国民は豊かさを感じていない。大都市圏と地方、大企業と中小零細企業、正規社員と非正規社員との間の格差などが大きな問題となっています。経済成長によって得た果実の配分が偏っているため、そのギャップが、国民の格差感を大きくしているのです。何としても、この格差を固定化させない枠組み構築に取り組まなくてはなりません。そこで、私どもは懸案の教育再生、社会保険庁改革等、改革を加速させる一方で、その“ひずみ”にも決め細やかな配慮を行っております。今後も、経済産業の「イノベーション」を通して、さらなる経済成長を進めて成長の果実を幅広く分配することで、国民一人ひとりの暮らしを豊かにし、格差を是正していかなればなりません。

 市町村合併もひと区切りし、自立した地方が、それぞれの多様な個性と創造性を十分に発揮する時代になりました。各自治体が互いに競争し、社会の活力を引き出す「新しい国と地方」の実現に向けた改革路線を進める中で、いよいよ、これからは特色のある「まちづくり」の正念場となって参ります。小松崎理事長が所信で打ち出しておられる、「まちとひとの未来のために、百の決意より一つの行動」は、まさしく意を得たものであり、地域に根ざした継続性のある活動こそが、「まちづくり」の根幹であります。

 地域格差の根本的な問題は、地域の経済状況に格差があるからです。つまり、地方には活力のある地域産業がなく、したがって、雇用創出につながらず、人材が地域から流出する。そのことでさらに地域の活力が低下する…、そうした悪しき循環によって、さらに格差が増大するわけです。息の長い景気回復といっても、景気回復のアンバランスは確かにあり、輸出型製造業がある地域とない地域とでは、まったく景気の具合が違っております。昔は、公共事業を追加する、或いは交付税でなんとかするということでありましたが、現在はこれらを減らしてきているわけであり、これからは地方分権を進めていく中で、それぞれの地域がそれぞれの地域の独自性を発揮していただく、個性ある発展モデルを模索していくということが大事なことではないかと感じております。

 愛知県は、いま、全国でもっとも景気が良く、いうまでもなくその景気を引っ張っているのは、輸出型製造業のトップバッターである世界のトヨタであります。我が国が強みとする「ものづくり」である製造業が基幹産業である愛知県の強さがそこにあります。石岡で「ものづくり」を主体とした企業ということでいえば、石岡市では、東日電線が、光ファイバーで活力を発揮しております。これからの時代、製造業と言えども、国際競争に打ち勝つ商品を開発し、その品質を高質化していく、という技術面の問題だけではなく、マーケティングの展開など、グローバルな市場にいかに参入し、マーケットをシェアしていくかという、高度な国際的な経営センスが問われることは言うまでもありません。

 「イノベーション」は、成長戦略のキーコンセプトでありますが、この「イノベーション」は単に技術革新だけではなく、ビジネスモデルやライフスタイルをも含む経済システムの革新だと認識しております。例えば、ITによる経済社会システムの「イノベーション」は、消費の喚起や生産性の上昇を引き起こし、生産力が高まることが予想されるわけであります。

 「まちづくり」においても、その基本は同じです。地域経済社会の「イノベーション」を、地域の資源を活用して進めていくことが必要となってまいります。私は、地域経済社会の「イノベーション」のキーワードは、「IT」と「環境」だと感じております。この分野に関しては、私もそう詳しいわけではなく、受け売りの部分もありますが、例えば、「ITを活用したまちづくり」として効果が期待されるモデルとして私が注目しておりますものに、「地域密着型ポータルサイト」があります。また、より発展したサービスとして、「SNS」(ソーシャル・ネットワーク・サービス)があります。つくばでは、行政をはじめNPO等でも、この「ポータルサイト」がスタートしており、今では、例えば、「子育て支援ポータルサイト」、「環境ポータルサイト」、「行政情報ポータルサイト」といった具合に、分野ごとの「ポータルサイト」も多く見られるようになってきました。

 さらに先駆的な「SNS」(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の成功例としては、「MIXI(ミクシイ)」などで、皆様のほうがよくご承知のことと思いますが、熊本県八代市などで効果をあげているという話を聞いております。市民同士のコミュニケーションが発展し、アクセスが集まり、情報発信基地として、また、情報収集基地として情報インフラが整いつつあるというのですね。特に、県外など外に働きに出て行った方たちも故郷の様子を生で感じたり、他の地域の人たちも八代市に関心をもち、八代市に観光等で訪れるという効果が出てきております。分散されていた情報が集まってくれば、人も自然と集まりコミュニケーションが活性化し、それが現実の社会活動の活性化を促進するという、情報インフラの良い例であります。石岡市も、無形文化財である「いしおかのお祭り」を宝として持っておりますから、例えば、「お祭りポータルサイト」や「お祭りSNS」などを通して、地域活性化へつなげていくことも十分考えられると思います。

 もうひとつの「イノベーション」のキーコンセプトである「環境」ですが、やはり「環境とのハーモニー」がポイントとなるに違いありません。緑や花には、人を癒す力があります。欧米では高齢者福祉に園芸セラピーが採り入れられ、その効果が実証されているそうですが、緑や花は、私たちの感覚を刺激し、力づけたり慰めたりしてくれます。先日、私も、つくば市のNPOの人たちが市内の松見公園につくった園芸セラピーの「いやしの庭」を見てまいりましたが、環境へのかかわりをとおして、人と人が心を通わせることができるものだと感じました。

 つくば市に「なかこん」と呼ばれる中根(なかね?)地区がありますが、ここは、“環境日本一で勝負”する、ということで、「緑住農一体形住宅」という郊外宅地開発を進めております。「緑」と「住むこと」と「農業」とを一体化した住宅ということで、先日(五月十八日)も日経流通新聞の一面で取り上げられていました。地主と行政とNPOが連携を組み、借地権を活用したりして、今まで見向きもされない土地を魅力ある宅地に変身させるというものです。どういうものかというと、地主が土地を所有し、つくば市が、地主や入居者が緑地に建物を建てたり、木を伐ったりしないように地上権を登記して保全する「景観緑地」という緑地帯。それと、地主が土地を所有し、居住者が管理する「果樹・菜園」。さらに、土地は地主が所有し、居住者との契約で定期借地権を設定する「住宅地」。それらを一体化したものです。文字通り、「緑・住・農・一体形住宅」というわけです。従来、よくあった都市計画と現実のズレを、地域の知恵を活用して時代に即したものにするという発想に基づいて生み出した、新しい郊外宅地開発のモデルです。「環境対開発」という従来の対立型ではなく、融和したモデルとして、大変魅力的な方法だと、私も見ております。地主の方たちと新しく、つくば市にきた方たちの、従来にはない新しい関係も期待されることも、私は期待しております。

 いずれにしましても、「このくにのかたち」そして「このまちのかたち」は、私たち一人ひとりが、色々な方向から知恵を出し合い、実際に動いて汗を流しながら試行錯誤を通して挑戦し続けるしかありません。それも、一人ひとりの生きる姿勢によって変わってまいります。これからも、石岡に住み、石岡を創造していくことに誇りを持ち続ける、皆さんのエネルギー溢れるご活躍と、石岡青年会議所の益々のご発展を期待しております。

                                                          (ふれあいの里石岡ひまわりの館ホール)

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