お年寄りたちのスポーツの祭典、「ねんりんピック茨城2007(第20回全国健康福祉祭いばらき大会)」が、11月10日、ひたちなか市の笠松運動公園で開かれた。あいにくの冷たい雨で、全国から集まった選手団など1万4千人は、ビニールのレインコート姿だったが、様々なアトラクションなどが華やかに盛大に行われ、雨空を吹き飛ばす勢いだった。
60歳以上の高齢者を中心とした「健康と福祉の総合的祭典」であるこの大会で、「いばらき宣言」をしたのが、茨城県選手団最高齢者の古澤国一さんだ。今年、91歳を迎えた古澤さんは水戸黄門スタイル。並んで立ったユニフォーム姿の若い代表・茨城ゴールデンゴールズの女性野球選手、片岡安裕美さん(21)と2人で、メーン・スタンドに向って「思い出に残る大会にするとともに、全国の仲間たちと友情の輪を広げることを誓う」と、張りのある大きな声で宣言した。

ねんりんピックで「いばらき宣言」をするお二人(写真提供:茨城新聞)
古澤国一さんは、私の地元、石岡市国府出身。胃がんなど2度の手術を乗り越え、ゲートボール歴30年の元気なお年寄りだ。よく、私の事務所にもお越しになる、私にとって最高年齢の後援者の一人だが、今は、93歳の認知症の妻の介護をしながらのゲートボール漬けの日々だという。古澤さんは、戦中は軍隊に徴用され、終戦後、地元の大手メーカーに30年勤務、現在は妻と二人暮らし。厚生年金が年240万円、軍人恩給150万円、合わせて350万円という年金生活者だ。
年金のあり方をめぐって、今、与野党の主張が真っ向から対立している。私どもは、わが国の社会保障は、あくまで「自立」と「連帯」のもと、「社会保険方式」によって成り立っているとの「考えだ。現に、社会保障費、88兆円のうち、保険料は7割、そのうちの半分が事業主負担である。税金だけに頼らず、被保険者本人と同額を負担してもらい、社会保障のために企業にも貢献してもらうという方式である。
ところが、民主党など野党は、税方式による最低保障年金を提案している。これは、保険料を納めている人にも、納めていない人にも、等しく年金を差し上げるという「生活保護」の発想だ。この方式だと、すべての65歳以上の高齢者に、仮に現行の6万6千円を支給すると、22兆円の財源が必要となる。ところが、消費税5%で国と地方合わせても13兆円しかないのだ。
しかも、民主党の小沢代表が消費税の引き上げには反対だと言うのだから、マジックでも実現不可能だ。かつて、小沢代表は、国民福祉目的税10%構想を打ち上げ、挫折した経験を持つ。その発想はどうして消えてしまったのか。
その民主党が、財源不足を埋めるものとして出してきたのが、「65歳までの人生で、一度でも、1千200万円の所得のあった人は年金辞退を、また600万円以上の所得のあった人は半額で」という案だ。こんな馬鹿げた話は、とても年金と言えない。これでは社会保障ではない。人生山あり、谷ありだ。65歳を過ぎてからの生活がどうなるかが大切なことは言うまでもない。
政府・与党は平成21年までに、基礎年金の国庫負担分を、現行の3分の1から、2分の1に引き上げる道筋を既に決めている。そのためには、定率減税廃止分や消費税1%分を年金に投入して、2兆5千億円を確保することが必要だ。このことを政府も政党も堂々と国民に問うべきだ。もし、何も手立てしないで放置すると、年金は急速に崩壊の一途をたどることになる。
私は、少子高齢化社会に備えるために、十数年来、「“初めに、2分の1”ありきだ。何としても、21年までに国の負担を2分の1に引き上げなければならない」と思っている。そうでないと、“百年の大計”はおろか、年金制度そのものが崩れ、これはやがて、医療や介護というわが国が誇る社会保障制度全体の崩壊につながっていくということは自明の理だ。このことを国民の皆さんによくご説明し、ご理解いただかなくてはならない。
「こんなにありがたいことはない。長生きして幸福です」。こう語る古澤さんは、戦時中、軍隊に徴用されて青春を国のために捧げ、戦後の苦しい中、休まず国の復興と経済成長に献身してきた。そして、若い時にせっせと真面目に保険料を払ってきたお蔭で、今、年金により、元気に老後を過ごすお年寄りの一人だ。
(丹羽 記)